どーも、今年の3歳ダート馬はレベルが高そう。(シリウスSの回顧&備忘録)
ぺちです。
●回顧
シリウスSはJDD2着の3歳馬オメガパフュームが勝利しました。
コパノチャーリーがハイペースで逃げましたので、後方からの競馬だったオメガパフュームや2着ウェスタールンドには恵まれた展開にあったことは確かですが、それでもきっちり勝ち切れるのは能力がある証です。
3角からの進出では、先に進出したグレイトパールを目標にできてスムーズでしたし、最後は差されそうではありましたが和田さんの乗り方も上手だったと思います。
2着ウェスタールンドは極端なレース運びでしたので、次走が重賞だったら過信は禁物だと思います。
3着サンライズソアは展開を考えると良く踏ん張った印象で、GⅢ級だと格上でしょう。
1人気グレイトパールは仕掛けるのが早かった印象ではありますが、それでも負けすぎで、追い切りでも感じましたが調子を落としているのかもしれません。
能力はあるので追い切りで好調時と同じような動きをしていれば次走以降でも勝ち負けはできると思いますので、追い切りに注目が必要となりそうです。
●備忘録
①前走の勝ち方(負け方)
上位3着はGⅠ2着、GⅢ1着、条件戦1着とレースレベルに関係なく前走で好走しています。
逆に1人気グレイトパールは前走5着とダート戦では初めての敗戦を喫し、今回もその敗戦を引きづるがごとく11着に敗れています。
このことからダート戦は前走の勢いがそのまま引きづられることが多く、GⅢ級のレースではそれが結果にも影響するのだと思いました。
②ダート戦は追い切りが大きく影響?
今回僕が追い切りレビューをした中で、最高評価だったのがサンライズソアとウェスタールンドで「仕上がり85%」、続いてオメガパフューム他「80%」でした。
逆にグレイトパールは70%でしたので、たまたまかもしれませんが芝のレースに比べて追い切りが直結しているように思います。
まだ断定はできないので、これからのダート重賞ではこのことを念頭に置きながら予想を考えようと思います。
さて今回は血統第3弾です。
スプリンターズSも行われるということで、スプリント路線で活躍中のアドマイヤムーン産駒の祖フォーティナイナー系を勉強していこうと思います。
競走馬としてのフォーティナイナー
・1985/5/11米国生まれ、米国で競走馬生活を送る
・通算19戦11勝(GⅠ4勝)
・2歳時は6戦5勝(GⅠ2勝)、3歳時は13戦6勝
・3歳で引退
・ブライアンズタイムと同期
・1200-2000mGⅠで勝利しているように距離は万能
フォーティナイナーの血統
母:File
母父:Tom Rolfe(リボー系)
父ミスタープロスペクターは言わずと知れた大種牡馬。
ただ産駒は距離の万能性に富んでおり、総じて温厚な気性が多い。
日本ではキングマンボからキングカメハメハ-ルーラーシップ、ロードカナロアへと続くサイアーラインを築きあげている。
母fileに関する情報は調べても特に出てきませんでした。
種牡馬成績
初年度産駒デビューの1992年は米新種牡馬チャンピオンとなり、3世代目の1994年には米リーディングサイアーを獲得。
1996年からは日本で供用されユートピアやマイネルセレクト頭を輩出。
その他の代表産駒はトワイニング(ノンコノユメの父)やエンドスウィープがいる。
サラブレッドに隔世遺伝があるのかは分かりませんが、フォーティナイナーはGⅡ・GⅢ勝ち止まりの産駒(後継種牡馬)から大物が誕生するという特徴があります。
後継種牡馬:エンドスウィープ
自身はGⅢ勝ち止まりと競走馬としては鳴かず飛ばずではあったが、種牡馬として日本で供用されて成功し、スイープトウショウ(宝塚記念、秋華賞、エリザベス女王杯)、ラインクラフト(桜花賞、NHKマイルC)、後継種牡馬としてサウスヴィグラス(地方競馬の種牡馬チャンピオン2012,2015,2016)やスウェプトオーヴァーボード(レッドファルクスの父)がいる。
芝ダート問わず活躍馬を輩出し、距離もマイル~中距離までと万能性が高い。
そして産駒の最高傑作アドマイヤムーンが後継種牡馬として現在スプリント界の中心に躍り出ている。
アドマイヤムーン(リーディング15位)
・競走馬時代の主な実績:ドバイDF、JC、宝塚記念
2歳から重賞を制するなど活躍し、クラシックでも皐月賞では1人気(4着)、日本ダービー7着など中心ではあったが勝利までには至らなかった。
3歳の秋ごろから本格化し、札幌記念勝利以降9戦して4着以下は1回のみ、日本の他に香港、ドバイでも好走し、世界をまたにかけて活躍した。
重馬場に強く宝塚記念、ドバイで勝利、香港でも好走をしている。
JRA名馬列伝のキャッチコピーは「世界が見上げた月」
代表産駒はファインニードル、セイウンコウセイ、ハクサンムーン等。
産駒の特徴
軒並みスプリンターが多いが、マイルまでは許容範囲。
GⅠ勝利はセイウンコウセイ(高松宮記念)、ファインニードル(高松宮記念)の2頭のみだが、ハクサンムーンやムーンクエイクなどGⅠ級の馬も増えてきている。
短距離でも逃げ・先行できるスピードとその持続力が武器となっている。
2歳戦の重賞でも勝てる仕上がりの早さがあり、重馬場も苦にしない。
マイルになるとムーンクエイクやブラックムーンのような追込一辺倒の瞬発力のある馬が多く、またレオアクティブようにレコードホルダーも活躍馬の数の割には多いので、マイルになると高速決着に強いイメージがある。
2018年のスプリンターズステークスでは産駒が4頭出走するなど、今後のスプリント路線での産駒の活躍が期待できそう。
特徴:仕上がりの早い芝馬
脚質:スプリンターは逃げ・先行、マイルは追込
適性距離:1200m~マイル
サウスヴィグラス(同23位)
超晩成型の馬で重賞初制覇は6歳、そこから引退するまで10戦して3着以下はフェブラリーS6着の1回のみ。
その間にレコード勝利が3つ(全て地方重賞)と地方競馬にめっぽう強かった模様。
代表産駒はラブミーチャン、コーリンベリー、ヒガシウィルウィン等。
産駒の特徴
自身と同様地方の砂の深いダート戦に強く、地方リーディングに3回輝いている。
ダート戦では距離は問わず幅広く活躍しているが、相対的にみると短距離の方が得意な傾向にある。
仕上がりも早く産駒のGⅠ勝利は3勝だが2歳(マイル)、3歳(2000m)、4歳(1200m)で1度ずつで、かといって晩成型でもナムラタイタンのような馬もいる。
中央重賞でみるとナムラタイタンの武蔵野Sのみと苦戦気味。
特徴:仕上がりの早いダート馬、地方で活躍馬多数
脚質:逃げ~先行
適性距離:1200m~マイル
スウェプトオーヴァーボード(同43位)
・競走馬時代の主な実績:メトロポリタンHC
マイル辺りが適距離だったようだ。
産駒の特徴
レッドファルクスで種牡馬としての価値を高めたが、産駒は短距離での活躍が多い。
中央ではアドマイヤムーン同様芝のスプリント戦に強いが、サウスヴィグラスのように地方競馬での活躍も多くダートでの活躍も目立つ。
アドマイヤムーンとサウスヴィグラスを足して2で割ったような特徴である。
レッドファルクスで見ると、もともとはダートで活躍したが重賞を勝てるまでではなく、芝に転向したらいきなりCBC賞で重賞初制覇、勢いそのままにスプリンターズS2連覇とスプリント界をけん引してきました。
地方のダートでの活躍馬が多いので芝の重馬場なんかでも活躍できそうな気はします。
特徴:芝ダートのスプリンター
脚質:特になし
適性距離:1200m~マイル
まとめ
フォーティナイナーというよりもエンドスウィープを中心にその後継種牡馬をみていったことになりましたが、後継種牡馬たちの産駒は総じて短距離での活躍が目立ちます。
中央競馬でみるとアドマイヤムーンが1番成功していて、ファインニードルやセイウンコウセイなどからフォーティナイナーの血はつながっていきそうです。
スウェプトオーヴァーボードからレッドファルクスもいますしね。
短距離路線は長らくサクラバクシンオーが種牡馬としては君臨していましたが、アドマイヤムーンがその覇を譲り受けることになりそうです。
ただライバル候補としてはロードカナロアがいて、種牡馬としてはまだ3歳世代がファーストクロップですので、これからスプリント路線に進出してくることは十分に考えられます。
種牡馬という点から見るスプリント路線の勢力争いも今後楽しみとなります。
フォーティナイナー系はスプリント路線で影響力を持ち、今後も一定の存在価値を見出していきそうな系譜となりそうです。
以上、競馬雑記:血統のお勉強③~フォーティナイナー編~でした。
読んでくれてありがとう!
ぺち。